「張りぼての復興が進んでいる」 熊本の被災者は今、何を求めているのか 被災地の課題をシェアするイベントレポート


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熊本市西区春日の貸会議室「えきまえスペース」で10日、被災地の課題を話し合うイベント「むしゃんよか熊本Meetup(ミートアップ)」を初めて開催しました。熊本地震で傷ついた熊本の復興を加速させようと、支援活動に携わっているメンバーらで企画。当日は約30人が参加し、車中泊や雇用など、被災地が今直面している課題について意見を交わしました。

イベントの大きな目的は、被災地と被災地以外の地域とのギャップを埋め、復興を加速させることです。
支援活動を行っていると、複雑で理解されにくく、また多岐にわたる被災者の(私たちも被災者ですが)ニーズに直面します。これらは狭い分野で活動していて初めて見えてくるもので、被災地でない地域はもちろん、被災地の中でさえ認知されていないのが現状です。

発災後、熊本で支援をされている(または支援を検討している)、県外のNPOや企業の方と毎日のようにお会いしています。そのどなたも(もちろん私も)が、その分野でのニーズを完全には把握できておらず、情報収集に大変時間がかかっていると口にされます。こうしたギャップを埋めることが、復興への近道であると強く感じ、イベントを企画しました。

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企画にあたっては、「Meetup」コミュニティマネージャーでソーシャルメディア・コンサルタントの市川裕康さんに、イベントの全体設計などについてご協力をいただきました。「Meetup」とは、共通の興味を持った人たちがリアルの場で集まる、いわゆる「オフ会」をオンライン上で企画、集客できるサービス。知人の市川さんが、昨年、日本のコミュニティマネージャーに就任されていたことから、相談させていただきました。

「むしゃんよか」とは、「かっこいい」を意味する熊本弁。イベント名の「むしゃんよか熊本」には、「かっこいい熊本を取り戻そう」との思いが込められています。

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10日の第1回イベントには、ITや食など、得意分野を生かして支援活動にあたっていたり、何か復興の力になりたいと考えている約30人が参加。中にはアメリカ人男性の姿もありました。

主催メンバーの自己紹介の後、本会がスタート。前半の話題の中心は、車中泊の問題でした。

自宅の損壊や余震への恐怖により、今も多くの人が車中泊を続けています。その実態を明らかにしようと、熊本地震の被災者を支援している民間ネットワーク「こころをつなぐ『よか隊ネット』」が、県内の車中泊の避難者131人に実施したアンケートを実施しています。
その集計に協力した浅川浩二さんは、「県内に車中泊者が点在しており、行政が数を把握するのは困難」と、支援の難しさを強調。ほかの参加者からは、「地域レベルで細かいニーズを把握して、行政に投げる仕組みづくりをしなければならない」「車中泊者へのリーチ手法として、ラジオはよいのではないか」などの意見が出されました。

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印象的だったのが、「アンケートがメンタルケアにも効果的だった」という意見。一人につき30〜40分かけてアンケートを取ったため、普段人と会話することが少ない車中泊者にとって、「癒し」となったそうです。ただでさえ孤独な被災者ですが、車中泊だと人と接する機会が極端に減るとのこと。こうした人たちへのケアは大きな課題の一つといえるでしょう。

後半の話題の中心は、熊本の気質の部分でした。ある参加者は、「これまでの熊本は排他的だった」とした上で、今回の「県外とのつながりができ、新しい価値が生まれるチャンス」と前を向きました。また、別の参加者からは、「熊本の人は、他人に迷惑をかけることは悪いことであると思いがち」と指摘。その上で、それぞれの地域内でコミュニケーションを取ることが重要との認識を示しました。

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経済への影響を懸念する参加者も多くいました。ある参加者は、複数のショッピングモールが休店している状況をふまえ、「仕事が今ゼロの状態のパート、アルバイトは多い」と強調。また、別の参加者は、「張りぼての復旧、復興が進んでいる気がしてならない。数字が出ていないので報道されないが、廃業するところがこれからたくさん出てくるだろう」と危機感をあらわにしました。

今回、多くの参加者が「もやもや」を感じているということが伝わってきました。みな、日常を取り戻そうと、一生懸命仕事や家のことに取り組んでいます。見た目の復興はこれから進んでいくでしょう。しかし、これから徐々に経済面での影響が、今まで以上に顕在化してくるのではないか。風化が進んでしまうのではないか。そういった不安、もやもや感を、多くの被災者が持っているのです。

私にできることは、こうしたイベントで出た課題を内外に向けて発信し続けること。このイベントは、当面の間、毎週開催していきたいと考えています。

イベントの詳細な議事録はこちら>>

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